誕生石とは
身に着けるとお守りになる、幸せが訪れると言われる誕生石。その由来は諸説ありますが、旧約聖書の『出エジプト記』に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石、そして新約聖書の『ヨハネの黙示録』で理想郷として描かれた聖都の城門の12個の土台を飾る宝石などが誕生石の由来とも言われています。 現在の「誕生石」はそれらを基礎とし、その後地域や時代により変化していったと言われていますが、日本でよく知られている誕生石は1912年にアメリカの宝石業界により定められたものとなっています。 Laetitiaのベビーリングの誕生石はそれらに基づき使用していますが、記念の品として大切に箱の中に入れておくだけではなく身に着けて欲しいので強度なども考慮し選んでいます。
6月の誕生石はムーンストーン・パール
今回はLaetitiaのベビーリングにもお留めしているムーンストーンについてのお話です。
6月の誕生石として知られるムーンストーンは白色の中にもブルーや虹色をたたえる不思議な石。薄い雲の間にみえる柔らかな月の光のような、水面に揺れながら変化する月の光のような、柔らかく儚げな優しい光を放ちます。ヒンドゥー教の神話によると、ムーンストーンは凝固した月光で作られているとも言われています。口に含むと未来が見えるとも言われていた不思議な石をご紹介します。
ムーンストーンはどんな石?
ムーンストーンは「長石」類の宝石
ムーンストーンは「長石」類の鉱物で、その中でもその美しさと繊細さによりもっとも知られる石でしょう。長石類は地球地殻中の60%を占める鉱物でありとても多様性があります。ムーンストーンはその中でも正長石と曹長石という二つの長石鉱物により構成されています。化学組成が異なりますが、青白く蝶の鱗粉のような光をみせるラブラドライトも同じ長石の仲間です。
月明りのようなその光は内部構造によるもの
ムーンストーンに特徴的に見える光の効果をシラーと言います。シラーとはドイツ語で「きらめき」を意味する「Schiller」に由来しています。ムーンストーンはガラスのような光沢を持った正長石と半透明の曹長石という主に2種類の石が何層にも重なり合って出来たものです。月光のような光が見えるこのシラー効果は、長石が交互に積層する構造から生ずる光の反射と干渉に因るもので、アデュラレッセンスとも言われています。ムーンストーンの薄い層からなる内部構造が、石自体に当たる光を散乱させ、青色閃光を生むのです。この2つの層による不思議な光の揺らめきが月の光のようだと人々を魅了したのですね。
ムーンストーンも月の満ち欠けをする?
ムーンストーンは古代インドで「月が宿る聖なる宝石」として扱われていて、月との関係に関しては色々な逸話があります。石が月の満ち欠けとともに変化するというものです。 16世紀には、大きなムーンストーンの結晶には新月の頃に斑点が現れ、満月の頃に最大に、そして月が欠けるにしたがって下方に移動しながら小さくなっていった、という話が残っているそうです。イギリスの国王エドワード6世はこの石によってさまざまなことを予知し治世に努めたといいます。また、1世紀ごろのローマ人、プリニウスは『博物誌』のなかで、「セレニティス(月石)は透明無色で蜂蜜色の光輝があるが、なかに月の形が含まれており、もし報告が真実だとすると、日々満ち欠けしてゆく月の形までも表すという。」(中野定雄 訳)と書き記しています。
電球の明かりがなかった頃、ムーンストーンが湛える光は新月から満月へ、満月から新月へと、本当に石自体が変化しているかのように人々を照らしていたのかもしれません。
ムーンストーンはどんな意味を持つ石?
ムーンストーンの宝石言葉
「純粋な恋」「恋の予感」「純粋な愛」「愛の予感」「知性」など
世界各地で「幸福の石」とされています。
ムーンストーンのパワー
月はその満ち欠けから女性・女性性を象徴するとも言われています。そんな月という名前がついたムーンストーンにはどんなパワーがあるのでしょうか。
・直観力を高める
・豊かなインスピレーションを
・感情の過度な起伏をなだめる
ムーンストーンは蟹座の誕生石とも言われています。月を支配星に持つ蟹座の人は生まれつき直感が強いと言われます。そんな蟹座の人には、その直観力を実用的なカタチで使えるようにサポートしてくれる石。感受性が強く気分が激しく変動する、そんな気持ちのバランスを整え、月の満ち欠けと同じように波がある、その波長とあなたの波長をあわせるサポートをしてくれるそうです。
これから梅雨に入るとなかなか月を見上げる機会も少なくなってしまうかもしれませんから、ムーンストーンを手元に置いて月の満ち欠けを感じてみても良いかもしれませんね。新月から満月へ、満月から新月へ、本当に石が変化するかもしれません。
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